RPGツクールVXAceの網

RPGツクールVXAceの製作過程で気が付いたことをメモする。

暗号化されないAudio

ツクールVXの仕様で、Audioディレクトリのファイル(効果音および曲)とFontは暗号化されない。

Fontはおそらく配布で版権が絡むところもあるのだろう。Audioは、オリジナル要素を含む素材だけに画像が暗号化されるのに音声はそのままか、という意見もある。

 

音声が暗号化されない理由は大きく二つあると推測する。

1.復号化に時間がかかる

 効果音についてはそうでもないが、曲のフォーマットOGGおよびWAVEは再生時にストリーム読み込みを行う。極端な例でいうと再生時間が60分の曲、標準OGGで60MB、WAVEで700MB程度の曲を読み込むにしても、ストリーム読み込みは再生分のデータを順次バッファするためすぐに再生が開始される。

 ところが、何らかの方法でオーディオを暗号化してしまった場合、部分復号に対応したものでなければ、数MB以上あるであろうそれらのファイルを一旦丸ごと処理してから再生にうつることになる。この場合、曲再生直前に復号するにせよ、ゲームの開始・終了時にまとめて復号するにせよ、タイムロス(プレイヤーへの負荷)は大きい。

2.素材として加工しにくい

 画像は切り貼りおよび編集が比較的簡単だが、MIDIは参考にするにしてもなかなかそれを素材として発展させることは難しく、OGGやWAVEに至ってはミキシングの技術がなければ編集はさらに困難になる。このことは、安易に他のゲームに流用しにくいことを示している。さらに、画像の場合はサムネイルなどで一瞬にして大画面に展開される(意図しないで見てしまう)可能性があるが、音声は意思を持って聞こうとしない限り再生されることは稀であり、全て聞くにしても時間がかかる。よって、画像のように事故で見てしまってゲームの楽しさ(新鮮さ)を損なうような、ネタバレ的なことは少ない。

 

これらのことから、自作RPGでは音声は自力のアルゴリズムで暗号化せず、そのまま配布しようと考えている。ただし、「音声ファイルの再生によってゲームの新鮮さが損なわれる可能性があるため、ゲームクリア後の視聴を推奨する」という注意書きをつける。

 

このあたりは、プレイヤーの判断に任せても良いところだとおもっている。あえて、クリアした人がファイルを携帯音楽プレイヤーに入れて聞きたいかもしれない。そこにも配慮すると、やはり無理な暗号化はプレイヤーフレンドリーでないと考える。